ネヴァダ基準と日本の興行/団体/競技の階級を比較・まとめ
総合格闘技で世界的な基準となりつつあるNSAC(ネヴァダ州アスレチックコミッション)の体重別階級と、日本の総合格闘技の興行/団体/競技の体重別階級を比較してみた*1。
ネヴァダ基準のポンド表記をグラム表記に直し、小数点第一位を四捨五入したものを基準としている。
ポンドとグラムの換算の定義は1ポンド=453.59237グラム
120kg超 スーパーへビー級*2
NSACスーパーヘビー級 265lb超=120.20197805kg超≒120.2kg超≒120kg超
戦極無差別級 制限体重無し
修斗スーパーヘビー級 100kg超
パンクラス無差別級*3 制限体重無し
DEEPメガトン級*4 100kg以上
ZSTアブソリュート級 制限体重無し
ZSTスーパーヘビー級 100kg以上
120kg以下 ヘビー級
NSACヘビー級 265lb以下=120.20197805kg以下≒120.2kg以下≒120kg以下
DREAMヘビー級 93kg超
戦極ヘビー級 93kg超
修斗ヘビー級 100kg以下
パンクラスヘビー級 120.2kg未満
ZSTヘビー級 100kg未満
93kg以下 ライトヘビー級
NSACライトヘビー級 205lb以下=92.98643585kg以下≒93.0kg以下≒93kg以下
DREAMライトヘビー級 93kg以下
戦極ライトヘビー級 93kg以下
修斗クルーザー級 91kg以下
パンクラスライトヘビー級 93.0kg未満
ZSTクルーザー級 90kg未満
84kg以下 ミドル級
NSACミドル級 185lb以下=83.91458845kg以下≒83.9kg以下≒84kg以下
DREAMミドル級 84kg以下
戦極ミドル級 83kg以下
修斗ライトヘビー級 83kg以下
パンクラスミドル級 83.9kg未満
ZSTライトヘビー級 85kg未満
77kg以下 ウェルター級
NSACウェルター級 170lb以下=77.1107029kg以下≒77.1kg以下≒77kg以下
DREAMウェルター級 76kg以下
戦極ウェルター級 76kg以下
修斗ミドル級 76kg以下
パンクラスウェルター級 77.1kg未満
ZSTミドル級 80kg未満
ZSTウェルター級 75kg未満
70kg以下 ライト級
NSACライト級 155lb以下=70.30681735kg以下≒70.3kg以下≒70kg以下
DREAMライト級 70kg以下
戦極ライト級 70kg以下
修斗ウェルター級 70kg以下
パンクラスライト級 70.3kg未満
ZSTライト級 70kg未満
66kg以下 フェザー級
NSACフェザー級 145lb以下=65.77089365kg以下≒65.8kg以下≒66kg以下
戦極フェザー級 65kg以下
修斗ライト級 65kg以下
パンクラスフェザー級 65.8kg未満
ZSTフェザー級 65kg未満
61kg以下 バンタム級
NSACバンタム級 135lb以下=61.23496995kg以下≒61.2kg以下≒61kg以下
戦極バンタム級 60kg以下
修斗フェザー級 60kg以下
パンクラスバンタム級 61.2kg未満
ZSTバンタム級 60kg未満
57kg以下 フライ級
NSACフライ級 125lb以下=56.69904625kg以下≒56.7kg以下≒57kg以下
修斗バンタム級 56kg以下
修斗フライ級 52kg以下
修斗ストロー級 48kg以下
修斗ミニマム級 44kg以下
パンクラスフライ級 58kg未満
ZSTフライ級 55kg未満*5
上記を踏まえた上での個人的感想
日本の興行が世界をリードし、日本(のというかアメリカ以外の世界の)基準であるグラム表記で、かつ区切りの良い階級設定が世界的な基準となるのが望ましい。
だが、現状はそうではない。そうではない以上、日本人選手が世界で勝つために、あるいは世界の選手が日本に来やすくするために、日本の興行が世界的な基準に合わせるしかないと思う。
ただ、ポンド表記では非常にわかりにくい。そのため、後楽園ホール規模の興行ではポンドをグラムに換算して小数点第二位を四捨五入したもの、TV放映などもありより多くの人・よりMMAを知らない人も見る可能性のあるメジャー興行ではポンドをグラムに換算して小数点第一位を四捨五入したものあたりが妥協点じゃないのかなと思っている。
J.Z.カルバン、デニス・カーン、マット・ヒューズ等を見ていると特に思うのが、外国人選手の減量のうまさ、そして減量に対するこだわりのなさだ。日本人選手は逆に減量が下手・技術やノウハウが乏しい、もしくは体質的に苦手、またプロレスを源流に持つことから減量(=体を小さくすること)を否定的に捉えているという印象がある。
日本/世界でそういう違いがある以上、近い階級の制限体重を比較したときに、世界の方がより重く日本の方がより軽いという状況は日本人選手の敗北の可能性を高めるように思える。
減量の苦手な(通常体重の軽い)日本人が世界で戦うときにいつもより重い相手と戦うことになり、減量の得意な(通常体重の重い)外国人選手が日本で戦うときはいつもより軽い相手と戦うことになる。
その影響がより顕著に思えるのがウェルター級(世界77.1kg/日本76kg)だ。
K-1で60kg級が発足した。また山本“KID”徳郁は70kgや66kgではなく60kg付近での戦いを望んでいるようだ。HERO'Sミドル級(70kg以下級)がうけた要素のひとつに、K-1MAX(70kg以下級)とリンクさせ人気選手や打撃系の派手な選手を行き来させたことにあると思う。DREAMバンタム級?(60kg付近が上限体重の階級)でも同じ事をしたいとFEGスタッフが考えているだろう事は想像に難くない。
ただ、ネヴァダ基準ではバンタム級の上限は約61.2kgである。K-1に合わせるあまり世界基準から遠ざかり、世界で戦うときいつもより重い相手とやらざるを得ないというようなことにはなって欲しくない。