パンクラスフライ級についてまとめ

昨日のパンクラスの砂辺VS.田原戦は熱かったです。煽りVTRから試合決着まで完璧でした。

体制変更後のパンクラスを支持しています。理由はいくつかあります。一言でいえば、身の丈を晒した上で、自前で提供できる精一杯のものを提供している(あるいはその努力が見える)からです。(王座に最大の価値が置かれていること。可能な限り王者の試合をタイトルマッチとする(努力をしている)こと。一定期間参戦しない選手はランキングから外し、ランカーの水増しをしないこと。階級をネヴァダ基準に合わせていること。)

ただ一つだけ、上記の方針が適用されず、正王者竹内出VS.暫定王者近藤有己のミドル級王座統一戦が行われなかった事は残念です。近藤選手のCAGE FORCEでの藤井陸平戦が厳しいマッチメイクなのによく組んだと言われていますが、パンクラスは、より厳しいマッチメイクを、かつ自前で、組むチャンスがあったのにそれを自ら逃しています。おそらく当時は近藤選手に王座以上の価値をパンクラスが認めていたから組まなかったんだと思いますが、その試合が観れなかった事、他階級の王者と比べて不公平感があったことの2点で未だに不満です。

話がそれましたが、その中でもフライ級は、自前で提供できるものの上に、さらに一工夫が見えるマッチメイクをしているので今一番熱い階級となっています。個人的にも振り返りたかったので年表をつくってみました。たった3年足らずの歴史で一番盛り上がる階級になったのは、選手の努力、時代の流れ(より重い階級の中心が国内メジャー、あるいは世界に流れたこと)もありますが、運営側の創意工夫の比重も大きいです。具体的には、砂辺、廣瀬、江泉の生え抜きと言っていい3選手を軸に、階級上の選手、他興行の選手、ネオブラ上位選手をうまく織り交ぜていること、他興行の選手もZSTフライ級(55kg未満)のトーナメントで優勝した矢島選手や、優勝後の矢島選手に勝利した田沼選手、二之宮選手のZST勢に象徴されるように、なるべく他興行のトップクラスを参戦させていることに、工夫・努力を感じます。

上記の成果で、パンクラスフライ級は、他興行の近い階級の中では、修斗バンタム級に次ぐ価値があると思っています。そして、個人的には、年内中(12月でしょうか?)に行われるというタイトルマッチでは砂辺選手に勝利して欲しいです。失礼な言い方ですが、漆谷選手、マモル選手に負けている清水選手が勝っても、ファンとして、これから先の楽しみが乏しいです。砂辺選手に勝って貰い、修斗バンタム級世界王者の漆谷選手との試合を実現させて欲しい。
パンクラスVS.修斗でもあるし、パンクラスVS.CAGE FORCE和術慧舟會)でもあるので、今の流れなら実現できるんではないでしょうか?いきなり王者同士の戦いは難しいとしても、BJ、正城ユウキ、漆谷、マモルの各選手に並ぶ選手が“修斗外にいる”となれば、この階級全体が盛り上がると思うのです。タイトルマッチ、期待しています。

※ 以前フライ級について書いた記事、何か批判的なタイトルですが……。
フライ級は”砂辺階級”?ネヴァダ基準に準拠せず
http://d.hatena.ne.jp/mmanhb/20080604#p1

パンクラスフライ級史

前史   フライ級制定前、砂辺光久が自分より重い選手を相手にパンクラス軽量級をリードする戦いを見せる。
2008/1/30 後楽園ホール大会からフライ級(58.0kg未満)制定。パンクラスゲートでフライ級初戦が行われ、江泉卓哉が廣瀬勲にKO勝ち。
2008/2/5 初回のフライ級ランキングが発表される。砂辺が1位、その他は空位
2008/3/23 2008年ネオブラッドトーナメント開幕。フライ級は行われず、バンタム級(61.2kg未満)本戦に江泉、廣瀬がエントリー。廣瀬は怪我の川原誠也の代役だった。予選には清水清隆と石井拓麻も参戦。
2008/6/29 沖縄大会で砂辺が清水に勝利。
2008/8/27 ネオブラバンタム級決勝で廣瀬が江泉に判定勝ち。
2008/10/26フライ級戦で江泉が平安孝行に勝利。フライ級2位にランクイン。
2008/11/8 CAGE FORCEフライ級(56.7kg以下)戦で清水がシューターで和術慧舟會所属の漆谷康宏に敗れる。
2008/12/7 フライ級戦で廣瀬がチームZSTの二之宮徳昭に勝利。フライ級3位にランクイン。
2009/2/1 フライ級戦で江泉がチームZSTの二之宮に勝利。
2009/4/5 フライ級戦で江泉が階級を落とした裕希斗に、廣瀬がシューターで和術慧舟會所属の廣野剛康に勝利。2009年ネオブラッドトーナメントも開幕。フライ級(58.0kg未満)には清水、矢島雄一郎、石井、二之宮等がエントリー(二之宮は欠場)。
2009/6/7 初代フライ級キング・オブ・パンクラシスト決定戦で砂辺が江泉にKO勝ち。廣瀬も勝利。
2009/8/8 ネオブラフライ級決勝で清水が矢島に判定勝ち。
2009/10/25この大会から階級が未満規定から以下規定になり、さらにフライ級をネヴァダ基準に合わせ56.7kg以下となる。砂辺が廣瀬に勝利し初防衛。清水が江泉に勝利し、ランキング1位に。
2009/10/30VTJで修斗パンクラスの対抗戦が発表される。砂辺もリングインしコメント。
2009/11/7 戦極オープニングファイトバンタム級(60kg以下)でRYOTAが矢島に勝利。
2009/11/23修斗JCBホール大会で修斗×パンクラス対抗戦。修斗バンタム級(56kg以下)で清水がマモルに敗れる。
2009/12/6 石井が江泉に勝利。
2010/2/7 清水が砂辺に勝利し、タイトル奪取。廣瀬が石井に勝利。
2010/3/28 修斗フライ級(52kg以下級)1位の田原しんペーが試合勝利後、修斗バンタム級への転向を宣言。
2010/4/4 廣瀬がRYOTAに、江泉が矢島に勝利。
2010/4/29 砂辺が復帰戦に勝利。
2010/6/5 チームZSTの田沼良介が江泉に勝利。矢島も勝利。
2010/7/4 清水が廣瀬をTKOで下しタイトル防衛、当初は6/5に実施予定だった。
2010/7/4 田原が修斗バンタム級転向初戦で勝利、マイクで対抗戦での砂辺戦を熱望。
2010/8/8 2010年ネオブラッドトーナメントフライ級でカツオが優勝。
2010/9/5 砂辺が田原を下しタイトル挑戦権獲得。