フライ級は"砂辺階級"?ネヴァダ基準に準拠せず


この度、弊社・ワールドパンクラスクリエイトは、よりワールドワイドな団体を目指す為、世界基準となりつつある米国ネバダ州アスレチックコミッションが定める階級制を、2008年1月30日(水)後楽園ホール大会より導入致します。
http://www.pancrase.co.jp/rls/2007/20080130.html

▼ (12/4 up) パンクラスネバダ州基準の階級制を、08年1月30日(水)後楽園ホール大会より導入すると発表した(階級制の比較表は下記)。
 パンクラス伝統の無差別級は残り、スーパーヘビー級は廃止。バンタム級(61.2kg)、フライ級(58.0kg)が新設される。選手はどの階級で戦うかをパンクラスの審判団に11月末日までに伝達済で、1月大会までにランキングが発表される見込み。現フェザー級王者の前田吉朗バンタム級に、現ライトヘビー級王者の近藤有己がミドル級に落とすかどうかが注目ポイントだ。
 なお、ネバダ州の場合はポンド制だが、パンクラスでは小数点以下1桁のキログラムに換算。計量時にはそのキロ未満まで落とさないといけない。

◆階級制の比較

【07年12月までのパンクラス】 【08年1月から導入されるネバダ基準】

無差別級          | 無差別級(※パンクラス独自)
スーパーヘビー級(100kg超) |
ヘビー級(100kg)      | ヘビー級(265ポンド:120.2kg)  
ライトヘビー級(90kg)   | ライトヘビー級(205ポンド:93.0kg)
ミドル級(82kg)      | ミドル級(185ポンド:83.9kg)
ウェルター級(75kg)    | ウェルター級(170ポンド:77.1kg) 
ライト級(69kg)      | ライト級(155ポンド:70.3kg)
フェザー級(64kg)     | フェザー級(145ポンド:65.8kg)
              | バンタム級(135ポンド:61.2kg)
              | フライ級(128ポンド:58.0kg)

http://www.boutreview.com/data/news05/071015pancrase-class.html

まず第一に、ネヴァダ基準では制限体重"未満"ではなく、制限体重"以下"である。だがそれはまだいい。パンクラスの階級設定は以前から未満を採用していたし、残り100グラムなら選手にはどうにか頑張って減量してもらいたい。ポンドをキログラム換算するのも許容範囲だと思う。


だが見過ごせないのはフライ級の階級設定である。バウレビではご丁寧にポンドとキログラムの比較をしているが、ネヴァダ州アスレチックコミッションの設定するフライ級の上限は128ポンドではなく125ポンドである。

↓元ソース
http://www.leg.state.nv.us/NRS/NRS-467.html#NRS467Sec030

↓元ソースの引用。先ほど元ソースに飛べなかったので一応貼ります。
http://mixedmartialarts.thetazzone.com/
http://en.wikipedia.org/wiki/MMA_weight_classes


「125ポンド≒56.700キログラム」
パンクラスに準じて小数点第二位を四捨五入すれば56.7キログラムとなる。パンクラスの現在設定しているフライ級のリミット(58.0キログラム)とは1.3キログラムの違いが生じることになる。



ではなぜこのようなことが起こったのか。それはおそらく砂辺光久の存在が理由と思われる。「体重が満たないのにもかかわらず昔のフェザー級(64.0キログラム未満)の第一人者として活躍してくれた恩に報いたい、しかし、砂辺は56.7キロまではさすがに落とせない、だから階級の上限の方を変えてしまおう」と考えたとしても不思議ではない。

追記
コメントで指摘を頂いたとおり砂辺選手は過去に55キロ契約で試合をしたことがあります。

DEEP2001 4TH IMPACT 一周年記念大会
第3試合 55キロ以下契約
“ランバー”ソムデート吉沢VS.砂辺光久

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/live/200203/30/020330_a03.html


しかしそれでは、キックボクシングでは珍しい70キロの上限を採用したことでK-1MAXが「魔裟斗階級」と呼
ばれたように、あるいは総合格闘技では珍しい73キロの上限を採用したことでPRIDEライト級が「五味階級」と呼ばれたように、パンクラスフライ級が「砂辺階級」と呼ばれてしまってもやむを得ないだろう。


このフライ級の上限は以前から気になっていたのだが砂辺の階級変更後の第一戦が発表されても訂正する様子がなさそうなので今回改めて書いてみた。



どの団体のフライ級よりも強く
面白いチャンピオン目指して頑張ります。

http://blog.olga.to/sunabe/aid=31409

砂辺は日記にこう書いている。
今、WECにフライ級タイトルがなくても、制定されるときはやはりネヴァダ基準の上限体重になるのだろう。
本当にどの団体のフライ級よりも強いチャンピオンになりたいのなら、上限体重をきちんと合わせるべきだと思う。