桜庭騒動で思ったこと


疑惑やその顛末は既にいくつものサイトで語られているので、個人的に気になったことを取り上げてみる。


今回の騒動で明らかだったのは、id:gryphonさんの言葉を借りれば、

既存ジャーナリズムは、明白に敗れた。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20070112#p1

ということである。


大本営発表以上のことに踏み込まなかった格闘技通信kamiproの雑誌メディア、主催者の求めに応じて読者の望む情報を取り下げたスポーツナビ、GBR、また公式発表まで一切、声を挙げることのなかったバウトレビューのネットメディア。
彼ら格闘技マスコミは一敗地に塗れた。


だが一方で、この騒動で名を上げたマスコミもある。
桜庭側にウェイトを置いて報道し、グローブ疑惑も取り上げた週刊プロレス週刊ゴング
新聞ではもっともはやく疑惑に踏み込んだ東京スポーツ
その東京スポーツのインタビューに答えた高山善廣のブログ(http://takayama-do.com/cgibox/tdiary/20070112.html)によると、この記事を高山とともに企画したのは「プロレス担当」の記者らしい。「格闘技担当」ではなく。


くしくも三誌(紙)とも「プロレスマスコミ」である。「格闘技マスコミ」ではなく。
プロレスマスコミが格闘技マスコミより優れているといいたいわけではない。
プロレスマスコミもプロレス興行に不祥事があれば同じく筆が鈍るのだろう、今回の格闘技マスコミのように。


情報源に近づけば近づくほど馴れ合い、癒着が起こり、まともな報道がされなくなる状況は記者クラブ制度を想起させる。
実際に格闘技マスコミがどのような報道体制をとっているのかは知らない。
しかし、今回、「取材源から遠くもなければ近くもない」プロレスマスコミ以外は踏み込んだ報道ができなかったことを考えると、これからの格闘技マスコミにも期待できないのかもしれない。
そうだとすると残念だ。