「総合格闘技興行におけるコミッション、協会のあり方」番外編vol.1

■[シリーズ]「総合格闘技興行におけるコミッション、協会のあり方」本編vol.1
http://d.hatena.ne.jp/mmanhb/20101114/p1


上記記事の続きですが、早速番外編です。「興行と団体の違い」から派生しての日記です。


先日、twitter上でパンクラスismの近藤有己選手がガソリンスタンドで働いているという事が話題に上りました。自分はその事にとても驚きました。それは近藤選手が過去に実績があるからでも、近藤選手が株式会社パンクラスの役員だからでもありません。パンクラスが、団体であるから、団体として選手を雇っているから、練習生制度(内弟子、付き人、付け人、徒弟制度)を取っているからです。

プロ修斗、DEEP、ZSTCAGE FORCEの王者がフルタイムのファイターでなくても驚きません。もっと言えば、DREAM、SRC、UFCの王者がフルタイムのファイターでなくても驚きません。しかし、パンクラスの練習生がフルタイムのファイターでなかったら驚くのです。

プロボクシング、キックボクシング、K-1の王者がフルタイムのファイターでなくても驚きません。しかし、大相撲、プロレス、武道(空手、合気道等((柔道、レスリングという実業団が確立されている競技はまた別)))の練習生(内弟子)がフルタイムのファイターでなかったら驚くのです。

DREAM、SRC、UFCに所属選手はいません。でも、パンクラスにはいるのです。練習生は掃除、洗濯、調理、雑用をやらなければならないけど、それさえやれば、練習環境(ただのトレーニングだけでなく、食事や睡眠も含む)が与えられます。だから、練習生時代を終えた先輩ファイターは当然、練習に専念できるものと思っていました。他の同規模の興行を打っているところがそんなに稼いでいないのに、
どうやってその資金を捻出してると思ってたんだと訊かれれば、答えられないのですが……。

近藤選手は既婚者で、寮生活ではないでしょうから、それらの事情で例外なのかもしれません。でも、例えば鳥生将大選手や、金井一朗選手等、まだ寮生活かな、と勝手に自分が思っている選手たちもアルバイトをしていたりするんでしょうか?所属選手は、道場でのレッスン等はそれで何時間いくら、何日いくらの報酬が発生するわけではなく、正社員として「業務」の一環で行っていると考えていたのですが、そうではないのでしょうか?

例えばプロレス団体等でも、所属選手は正社員である、と思っています。そして、正社員の生活を保障できない会社なんて普通は考えられない、と思っています。プロレスのことはkamiproのプロレス記事をたまに読む程度の偏った知識しかないんですが、プロレス団体でも、所属選手を雇用していなかったり、あるいは正社員として雇用していても、他に副業をしていたりするんでしょうか?
メジャーといわれる新日本プロレス全日本プロレス、プロレスリングノアは、あるいは勢いがあるといわれるドラゴンゲートDDTプロレスリングはどうなんでしょうか?

もはやパンクラスでは、所属選手でありながら雇用すらしていないんでしょうか?パンクラスの練習生制度が形骸化するということは、
プロレスから派生した日本格闘技史の一側面を制度として背負うパンクラスの特色が薄れるということで、かなり残念な思いです。


参考
http://togetter.com/li/58765
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%98%E3%81%8D%E4%BA%BA
http://kotobank.jp/word/%E5%BE%92%E5%BC%9F%E5%88%B6%E5%BA%A6
http://www.unkar.org/read/ex24.2ch.net/k1/1216226026